作品レビュー 2020年3月25日

とべコマ!

去年から今年にかけ横浜市立戸部小学校の6年2組に僕が通ってコマ撮りの先生をしてきました。前回の授業の様子はこちらから

合計4回行きました。僕とみんなで1つの作品を作ったり、生徒たちの作品を講評したり。そして5つの班に分かれて作品を作りました。「とべコマ」と題して、戸部小学校を外部に紹介する目的もあって、学校の中の5つの場所を舞台にしてお話を作っています。
力作ばかりです!ご覧ください!

戸部小の思い出〜もっきんベンチ〜


校庭に“もっきんベンチ”という生徒たちが作った思い出のベンチがあります。そのベンチを作る過程を上手に伝えています。木を切って角材にする、ヤスリをかける、ニスを塗るなどを人を出さずに魔法のように話が進むのがよいですね。(人を出して作業させると普通のムービーになってしまう)

・角材がモーショングラフィック的に動くシーンが面白い。
・ヤスリをかけたあとにキラキラの紙を出してて分かりやすい。
・角材10本にニスを塗るのを、最初の1本は丁寧に見せて、残りは一斉に塗っているところが偉い。全部丁寧に見せていると飽きてしまうので。

赤白ぼうしの仲間たち

校庭が舞台の1番ハイテンションな作品(笑)
赤白帽たちがいろんな遊びをしていきます。見てて楽しくなる作品ですね。
赤白帽の色がかわって鬼ごっこの鬼になったりチーム分けしたり、赤白帽らしさが出たストーリーが素晴らしい。

体育館


一番大変だっただろうチーム。
体育館なんて大きな場所でコマ撮りするの楽しそう。

子供達がカラーコーンを被ってキャラになるアイデアが秀逸。
カラーコーンが主人公というのも学校らしくて良い。そしてハチマキでチーム分けしているのも分かりやすさとして大事ですね。

昇降口

靴がキャラクターになっているアイデアも良いですが、ストーリーいいですよね。ともだちとケンカして仲直りするストーリー!なんていい話なんでしょう。ケンカしたあとにそれぞれが悩んだりしてるシーンが入ってるのが重要。仲直りするための盛り上がりになります。

・靴から上履きになるのがいいですよねー。そうそう小学校って上履きあったわー!って思い出しました。
・ケンカのセリフがリアルな感じですよね(笑)、これは最初にセリフを録音したら怖すぎたから録り直したそうです(笑)
・この作品もそうですが、自分たちでプライバシー配慮して顔や名前のところを保護してます。ネットリテラシーが進んでますよ。

図書室からの大冒険!

・図書室を舞台にしたお話。落ち込んだりしても本をよんで元気になったという自分たちのエピソードがベースになっています。
・悲しい気持ちになった本が本のなかで冒険するというオリジナリティある話。
・コウモリの声は生徒さんのモノマネだとか。
・「はじめ」「おわり」がしおり!ナイスアイデア!

まとめ

生徒たちはiPadを使って、ストップモーションスタジオというアプリで撮影しています。無料ですし、録音機能もあってセリフも自分たちで入れられます。

1学期と2学期はじめまでに個人やグループでコマ撮り制作して上達してきたところで5つのグループにわかれて「とべコマ」制作。できた作品はクラスの中で何度も中間発表をしてお互いに良いところ悪いところを言い合って、なんども修正したり再撮影して完成させました。なので最後に僕が見たときはアドバイスを言う必要がないくらいでした。子供達は自分たちだけでどんどん成長していきますね。まさに「小学生は教えあう」の通りですよ。びっくりしました。こういったトライアンドエラーやお互いに意見を言い合うこと(悪いところだけでなく良いところを見つけ合うこと)が深い学びに繋がっていくと思います。

後日、担任の先生から「多くの子が将来映像関係の仕事につきたいと言っていました。」と教えていただきました。嬉しい限りです。みんな、大きくなったら一緒に仕事しようね!!


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「コマ撮り大好きコマドリスト」を名乗って活動中。
コマ撮り映像作家、CM監督、アニメーター。本人が監督するだけでなく、他の監督の企画にコマ撮りアドバイザーとして参加することも。

マネージメントはCM制作会社キラメキ。お仕事の依頼はこちらまで
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