作品レビュー 2023年7月26日

SHOOTERZ DINER Ep4【フレームレート】

撮影方法の専門用語を面白楽しく教えてくれるシューターズダイナー。エピソード4の今回はコマ撮りにも関係が深いフレームレートについてです!ご覧ください!

episode 4 【フレームレート】

解説動画なのに、アシスタントキャラが変わるっていうストーリー展開があるのが面白いですね(笑)

内容の覚書と補足

・24fps(映画では基本的に24コマの静止画で1秒分の映像になる)

・30fps(テレビは30コマの静止画で1秒分)

・Frames Per Second(1秒あたりのコマ数の単位)

・60fps(1秒に60コマの静止画でつくる映像。アクションがとても滑らかではっきりと見える)

・DCP(デジタルシネマパッケージ、劇場上映での投影方法。フィルム上映ではなくデジタルの映像や音声などのデータファイル)

・アンダークランク(撮影時のコマ数よりも再生したコマ数が少ない状態。チャップリンの映画など)

・オーバークランク(撮影時のコマ数が再生時のコマ数よりも多い場合。ハイスピードカメラで撮影したらスローモーションになっている状態)

・コマ落とし(アンダークランクのこと)

・モンスター映画(特撮で巨大な怪獣をスローモションにすることで重そうにみせることもある)

・シズル(CMで見られる、食べ物を美味しそうに見せるカットのこと。スローモーションにすると美味しそうに見えます)

・コマ撮りのスロー(動画では「これもiPhoneで撮った」って言ってるけどコマ撮りだからそんなわけないですww コマ撮りはスローに見えるようにアニメートしないといけないので大変です)

フレームレートの余談

ここからは僕の余談です。

テレビ放送、30fps

映画は24fps、テレビは30fpsなんですが、なぜ違うかというとテレビ放送が始まる時に「映画よりもすごい映像にしよう!」と言って多めにしたからだそう。

放送規格、30fps、25fps

テレビ放送の規格は複数あって、国ごとに違います。アメリカや日本はNTSCと呼ばれる規格で30fps。ヨーロッパのいくつかの国ではPALという規格で、25fpsで放送されています。

NTSCやPALという名前は映像編集ソフトで見かけるので知っておくとよいでしょう。DVDなどにもこの規格があるので、海外で購入したDVDが日本のDVDプレイヤーで再生できない!ということもあります。

高フレームレート

フレームレートを上げると動きがはっきりと見えるので、最近のアクションの激しいテレビゲームなどでは60fpsが主流になってきました。

しかし映画のフレームレートは今も24fpsが主流です。
なぜかと言えば「24fpsが映画っぽい」からです!

fpsの設定が変えれるカメラを持っている人は試してみるといいですが、24fpsで撮影すると「なんか映画っぽい!」って思うはず。独特のブレとかの動きの質感が映画みたいになります。

映画がテレビ放送されるときは30fpsに変換されている場合があって「なんか普段のテレビっぽくて映画らしくないな」という印象になることもあります。

映画『ホビット』シリーズ(2012〜)は48fpsという倍のフレームレートで撮影されてアクションは滑らかにはっきり見えたのですが、映画全体の評価は低く、それは単純に言うと「映画らしくなくて画面が安物に見える」というものでした。

はっきり見える方が生っぽくて映画としての味がなくなるということだと思います。高いfpsよりも24fpsが好きだと公言する映画監督もけっこういます。

ちなみにコマ撮りもコマ数が秒間8、10、12、15、24などで動きの雰囲気が変わりますね。どれが良い悪いではなく演技の種類が変わる感じだし、あとは好みの問題だと思います。


ABOUTこの記事をかいた人

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「コマ撮り大好きコマドリスト」を名乗って活動中。
コマ撮り映像作家、CM監督、アニメーター。本人が監督するだけでなく、他の監督の企画にコマ撮りアドバイザーとして参加することも。

マネージメントはCM制作会社キラメキ。お仕事の依頼はこちらまで
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