アニメーターが使う道具を紹介する【Animator’s tools】、今回はコマ撮りアニメーターの垣内由加利さんが発明したツールを紹介します。
ちょっと見た目が変わった道具なんですが、さてさてどう使う物でしょうか?
アニメーターがそれぞれ自作していて、これは僕が作ったやつです。CD-Rのケースに針金を螺旋状にして取り付けています。使い方はこうです↓
両面テープやパーマセルテープなどをちぎって貼っておくためのホルダーです!!ニッチな需要!
三角テープ
撮影現場ではパーマセルテープを三角形にして、美術のセッテイング場所をマークしたり色々な用途に使います。”さんかく”と呼ぶことも。
あるいは美術や人形を固定したりするのに両面テープやマスキングテープを使ったりと、コマ撮り現場ではテープ類をよく使います。そういうテープを机や箱ウマの角とかに貼っていると、つい触ったりして使えなくなったりますよね?
そういう時に便利なのが、この「垣内スパイラル」!螺旋部分にテープを貼っておいて、上からカバーをすればもう安心。
あらかじめテープを貼っておけて、「テープちょうだい!」と美術さんやアニメーターさんに言われたら「はい!」とこれを渡すだけ。ちぎったテープが余っても次の現場に持っていけて無駄になりません!超便利!
ただし、道具箱の中でかさばります(笑)
パーマセルテープの色は白か黒なので、ボディが黒のままだと黒テープがどこにあるのか、パッと見で分からないので僕は土台を緑色にしました。
オリジナルスパイラル
垣内さんが考案したから「垣内スパイラル」と呼ばれているんですが、まるで体操とかスケボーの技みたいですよね。
垣内さんのオリジナルがこちら
これはココアの缶に収納できるようになってるんですね。垣内さんにこれを作った経緯を聞きました。
垣内「1カット毎に沢山キャラクターを出演させることに決まっている現場で、手に色々持たせる、洋服のハネを抑える、脚の裏を仮止めする、を当初はアニメーター1人で全て固定していたので大変時間を食いました。そのうち「小さな両面テープを必要な形に切り出して持ち変える時間」が勿体ないと思い、家であらかじめ要りそうな大きさに両面テープをありったけ切り出してラセンに貼付けて持ち運んだことが始まりです。
急いで作ったので、余っていたココアの入れ物、自由自在(針金)の赤、粘棒、それらをテープで固定して10分で作りました。必要にかられて作ったらけっこう使えて今に残った、ってところです。」
とっさに螺旋の形で収納まで考えるなんてすごいですね。ココアの缶もスパイラルの模様がついていて、分かりやすい!
みなさんも、よければ真似してみてください。