積み木を使ったかわい〜コマ撮り作品の紹介です。
『tchou tchou(シュッシュッ)』
解説
積み木の世界のお話なわけですが、動きやストーリーの“積み木らしさ”がすごいよく出来てますよね。動きのセンスがどれも素敵で僕は見ててニヤニヤしてしまいます。僕が気になったとこをいくつか解説していきます。
虫(?)のパタパタした動き
パタンパタンとした積み木の動きなんて本当の生き物とは全然ちがってて、独自の積み木の世界観ができあがっています。このシーンは最初に視聴者にそのことを伝えています。
女の子が下を見るときも、積み木としてぐいっと下を向いちゃう。本当なら首きれてるけど、積み木なら問題なし。
テントウ虫の置き換え
テントウ虫や子供たちの足が動くのは、違う絵を描いた積み木を同じ場所に置き換えて撮ってます。置き換えアニメ、リプレイスメントと呼ばれます。
アクリルやテグス
ジャンプしてるとこでは下にアクリルのブロックをいれて支えています。積み木を投げるところではテグスで釣っています。CGで消していませんが、結構目立たないようになってますね。これはフィルム時代なら誤魔化しやすいのですが、いまだと高画質のデジタルカメラで撮影するとごまかしにくかったりもします。
とにかく技術が高い
これは1972年の作品です。古い作品ですがキャラクタの動きがとても滑らかだし、カメラワークもあって技術の高さがとにかくすごい。
コ・ホードマン
ホードマンはオランダ生まれの作家です。1965年にカナダのNBFの教育映画部門に入り、オリジナリティの高い作品を多数作れています。NFBはカナダ国立映画制作庁(National Film Board of Canada、通称NFB)といって、カナダ政府などが出資して、カナダの映画やテレビ産業の育成と振興を目的に設立された公共機関です。そんな組織があることもすごいですが、NFBではかなり面白いコマ撮り作品も多数つくられ、アカデミー賞なども受賞されています。
ホードマンは作品ごとに使う素材を変えていて、砂を使った『砂の城』や紙を使った『The Garden of Écos』などストーリーや動きも素材にあった演出になっていて面白い作品が多いです。