コマコマ勉強会に生徒さんの作品紹介です。ブロッコリー(本物)のキャラがかわいくて、絵作りも凝った作品です。
作者の根岸祐太さんは普段は映像撮影の仕事をされていて、タイムラプスのシーンがあったりアングルや色使いなどもいわゆる普通のコマ撮りとはちょっとテイストが違う作品です。
Walking Broccoli Day
メイキング
作り方を詳しくインタビューさせてもらいました!
ブロッコリー探し
ブロッコリーを主人公にしたのは「フォルムが意外と可愛いので、動いたら面白そうだなというシンプルな理由からです」とのこと。たしかにブロッコリーのフォルムは可愛いですよね。(僕も撮影したことあります)
しかし一番苦労したのは形の良いブロッコリー探しだったそうです(笑)
この自主制作は仕事のあいまの制作だったので月に1、2度だけ撮影したので、完成するまで1年近くかかってます。なので撮影があるたびにブロッコリーを買ったのですが、ブロッコリーはよく見ると形が全然違います。ブロッコリーをバラバラに切り分けて、使えるブロッコリーは2房くらい。最初のブロッコリーと似た形のを探して、近所や隣町のスーパーまでブロッコリーを探しにいったそうです。見つからない時は10軒近く回ったそうです!!
蝶
冒頭にでてくる蝶は雑貨を使用。蝶を針金で固定してコマ撮り撮影し、編集で針金を消してます。蝶だけ別でコマ撮りして背景と合成している部分もあるとのこと。
蛍光灯のチカチカ
僕的にすごく好きだった演出が台所の蛍光灯がチカチカと明滅するところです。
どうやったのか聞いたところ、蛍光灯のスイッチをオンにして実際に明滅するタイミングでシャッター。それを何度もくりかえして、編集で写真を選んでつないで明滅しているようにしたそうです。合成も使ったそうですが、かなりアナログなやりかたでできてますね。
タイムラプス撮影
タイムラプスモードのあるレリーズケーブルをカメラに繋いで撮影。光の残像を伸ばすためにシャッタースピードは長めに。
浮遊感
ストーリーについて伺うと「ブロッコリーが歩く事に意味が欲しかったので、ブロッコリーがどこで生まれてどうしたいのか考えました。
特に外に出てからについては、ストーリーというよりも、外の世界の驚きや浮遊してしまうような感覚、都会を感傷的に感じる部分だったり、ブロッコリーが体験する感覚的なものを重視して作りました。音楽が先にあったという事もあって、物語にこだわりすぎずに作っていきました。」とのこと。
感想
台所の暗く青い光のシーンから、外の日差しの眩しい感じ、都会のスピード感のあるキラキラした風景、色味やボケ具合などルックが凝ってて美しいですね。そしてブロッコリーがちょこちょこと進む姿がかわいい。主人公は小さく、風景は大きいというコントラストも面白い。ラストはふわっとした印象のまま終わりますが、都会の光を目の当たりにしたブロッコリーの浮遊感がよく出てると思いました。
リンク
根岸祐太さんのツイッター(BOXO牧草)
https://twitter.com/boxo_chi