作品レビュー 2020年11月29日

ペン&マジック

とっっっても可愛らしい人形のコマ撮り作品の紹介です。

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本作品はいまいろんな映画祭で受賞&上映をされていまして、キミハルシネマ・フェスティバル2020にて優秀賞を受賞し、期間限定でyoutubeにアップされています。この公開は2020年12月31日までです。(その後の公開情報などは作者のツイッターなどをチェックしてみてください)

ペン&マジック

感想

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まず人形の造形が素晴らしいですよね。キラキラふわふわしててとても可愛い。コマ撮りで可愛いというと子供向けというか丸くて優しいデザインのものが多いですが、こういうファンシーなタイプって新しいんじゃないでしょうか。いい個性を持った作家がでてきたなと思いました。

作者のきしあやこさんはもともと人形制作やイラストなどを描いてたのですが、そこからコマ撮りも始めて、去年ひらいたコマコマ勉強会に参加してくださって僕と出逢いまして、その後コマ撮りひろばにも参加してます。

いやー、造形が出来てる作家がコマ撮りを使うと一気に世界観のある作品が作れてすごいなと思いました。羨ましい。背景の漆喰や石畳のティテールもいいですよね。

コマ撮り映像というのはいろんな要素があつまった総合的なアートです。造形・アニメート・ストーリーやセリフ・カット割りなどの演出・音楽、それらのどれかが面白ければ成立すると個人的には思っているのですが(全部がよいにこしたことはないけど)、本作品は造形センスがずば抜けてる。アニメートや映像演出に関しては稚拙な点があるかもしれませんが、そんなことは全然気にならない。動いてなくても可愛いキャラがちょこっとでも動けばめっちゃ可愛いというパワーを持っています。

スチームパンクと魔法があわさった世界観もオリジナリティがあっていい。
セットも雑貨を貼り付けて作ってある点が物感が強めで好きです。個人的にはピンクの妖精みたいな子がでてくるのが調理器具の蒸し器ってのがツボでした。あの蒸し器は僕も前からSF的というか不思議な印象を持っていたので。

それと主人公の心境を照明の明るさで表現してるのも面白いですね。暗い気持ちの時は照明も暗く、元気になってきたらどんどん明るくなる。セリフのない中でストレートに分かりやすいです。

5分が短いと思うほど、前後も想像したくなる魅力の詰まったコマ撮りだと思いました。

あと、タイトルロゴがいいです。おしゃれ。良い作品はロゴから良いという法則。

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新作もすでに作り始めているそうで、とても楽しみです。
知り合いなのでコメントもいただきました。

作者きしあやこさんコメント

『ペン&マジック』は、ファンタジックなスチームパンク風で製作しました。
スチームパンクといっても、皆さんの身近にあるフォークやお菓子の型、ジョウロなどの生活用品を使用し、それをミクストメディアの手法で組み合わせ、ペイントしたりして製作しました。イケアで家具に使うジャンクなパーツもアウトレットで買ってきて、建物内の照明などにしています。途中、小さな生き物が蒸し器から登場してきたりします。
見た人が気がついて、クスって笑ってもらえたらいいなって思っています。

照明は最初暗めで、主人公の気持ちが明るくなるに従って照明も明るくなるように撮影しました。(主人公は、説明するときに必要に応じて男の子と書いたりしていますが、実際は見た人が男の子。女の子、どっちでも思えるように中性的な主人公にしました。ピンクのアフロは毛皮です。)

最後の方で、宇宙船に乗って操縦席で運転するシーンでは、大好きな映画である、スター・ウオーズの登場人物、ハンソロとチューバッカのオマージュのようなシーンにしました。
その背景に使われている装飾も、ディズニーランドのお土産のお菓子を購入したときに入っていた、銀色の仕切りにジャンクなパーツを貼り付け、宇宙船の内部にありそうな機械のようなものにしました。
(たいしたシーンではないですが、ハン・ソロや、スタートレックを凝視して参考にしました。)

私の造形には、あえて本来の目的で使われなくなったジャンクなものを使用しています。新しい素材をたくさん用意してたくさんのゴミを出して完璧なものを作るというより、今あるものを最大限に生かして製作していく物作りを目指しています。完璧でなくてもいいのです。コマ撮りアニメ作りでも、完璧なものを目指しすぎると、私の場合絶対完成しないので、今の自分で、未完成でもいい、そのまま突き進もうと思っています。

アニメートは引き続き勉強して精進していきたいなと思います〜。
2021年より第二スタジオを新たに借りて活動します。

作者プロフィール

STUDIO A.CRAFT きしあやこ
コマ撮りアニメ 立体造形アーティスト

神奈川県在住。
暮らしに、ひと匙のファンタジーを。一つ一つに物語が込められた作品を製作しています。
毎日の暮らしの中で、ほんの少しのファンタジーがあれば心豊かな時間が流れるとSTUDIO A.CRAFTは確信しています。日本各地や台湾などで作品展示。

2002年から、イラストレーターとして独立。その後、立体造形の展示なども始める。
2017年、TMC(村田朋泰監督のスタジオ)にてストップモーションアニメ用のパペットや撮影方法を教えてもらい、
その後、船本恵太さんに編集などを教えてもらう。
竹内泰人さんのワークショップ、サロンにも参加。
監督/製作 コマ撮り「ヒロ&ハナ」「ペン&マジック」13ヵ国以上で上映。
2002年 ドワーフで行われたコマ撮りイベント、アニマソン チーム優勝。
「ペン&マジック』は、2020あいち国際女性映画祭 アニメーション部門グランプリ受賞。
キミハルシネマ・フェスティバル2020 優秀作品賞受賞

リンク

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サイト
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キミハルシネマ・フェスティバル2020


ABOUTこの記事をかいた人

竹内 泰人

「コマ撮り大好きコマドリスト」を名乗って活動中。
コマ撮り映像作家、CM監督、アニメーター。本人が監督するだけでなく、他の監督の企画にコマ撮りアドバイザーとして参加することも。

マネージメントはCM制作会社キラメキ。お仕事の依頼はこちらまで
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