こんにちは、泰人です。『赤ずきんとドキドキオオカミ』という作品を作ってきました。短い作品です、ご覧ください。
赤ずきんとドキドキオオカミ
メイキング
動画にも少しメイキングを入れましたが、こちらでも解説。かなり長い記事になりました!
カッティングマシン

今回、brotherのカッティングマシン、SDX1000というのを使いました。
プリンターみたいな見た目で、カッターの刃が動いて紙などを切ってくれます。イラストレーターのパスデータを使えるのが助かる!
前に同じようなカッティングマシンのシルエットカメオというのを持っていたのですが、そちらは動作音が「ガーガー!!」と本当にうるさくて、夜には絶対に使えませんでした。こちらのモデルはすごく静か!それと前の機種はカット圧というどれくらいの力で切るのかを自分で設定しなくてはいけませんでしたが、SDX1000だと自動で圧力を調整してくれる!これがとても便利でした。
赤ずきん


顔や体、腕などをパーツごとに切り出してノリ付け。花を持つ手は3つ形違いを用意。赤ずきんの顔は印刷です。目や口を画用紙でつくると凹凸や影がでてキレイに見えないと思ったので。
オオカミ

画用紙だけだとフニャるのでスチレンボードを裏に貼ってます。オオカミの体の根本と首部分はブルタックで固定して角度調整ができるようになってます。
全体
木や草の画用紙を机に立ててセットにします。奥行きをつくって前後でピンぼけができるようにしました。右下に写ってるのが赤ずきんの顔パーツ。顔の向きは置き換えアニメ。
画用紙のテクスチャ


今回の木や赤ずきんのデザインはイラストレーターのパスデータというので作っています。綺麗な直線や曲線が特徴で、ある意味で機械っぽい、デジタルっぽいデザインだと思っています。そのままコマ撮りにするとこの作品自体がCGアニメみたいに見えかねません。そこで画用紙は凹凸の特徴のある紙を色々と用意しました。木の幹の部分は縦にくぼんだ筋がはいった紙だったり。
そういうテクスチャ部分でコマ撮りのリアルさ、物質感を出してみました。
紙を購入したのはこちら。
紙の専門商社 株式会社竹尾
見本帖、というお店でいろんな紙が買えます。
店内はこんな感じ。赤の画用紙だけでも何種類もあります!(許可をもらって撮影しました)
朝日新聞 「グッとムービー」
さて、なぜこの作品を作ったかというと、取材を受けたからです。朝日新聞の「私の描く グッとムービー」というコーナー。いろんな作家(イラストレーターや切り絵作家など)が自分の好きな映画を紹介して、その映画からインスパイアされたイラストを作るという企画です。僕はコマドリストなのでイラストではなくコマ撮りを提出しました。
紙面では写真ですが。
こちらでロングインタビューが公開されています。
【SPECIAL】「怖い-毒=可愛い」の方程式 竹内泰人さん「グエムル 漢江の怪物」を語る
紹介した映画は韓国の怪獣映画『グエムル』です(笑)
『パラサイト半地下の家族』のポンジュノ監督の作品です。これ演出がすごいんです。どのシーンのどういう演出が良かったというのをひたすら語りまして、取材時間1時間の予定だったのに2時間たってました。演出とストーリーの家族愛の描き方がすごかったのです。たぶん記事はそのうち会員限定になるので早めにお読みください。
かわいいコマ撮りばかり作ってる僕ですが、ホラーとかSFとか怖い映画もよく見ます。ですが作る作品はどうしても可愛くなりがち。グエムルは結構グロテスクなデザインの怪獣で、そのデザインを自分では作れないなと諦めてかわいいオオカミに振り切りました。さらに、怖い存在だと思っていものが実はそうじゃない、告白したいだけの奥手なオオカミというオチにしました。
ピン送り
グエムルでは怪獣がピンボケで映るというのが僕的に面白かったのですが、僕の作品ではピン送りをしました。ピントの合っている部分が画面の手前や奥に移動する演出テクニックですね。コマ撮りしながらカメラのピントリングを少しずつ動かして撮影しています。こうすると空間の奥行きが感じられてリアルなコマ撮りっていう気がして好きですね。
撮影枚数:60枚
撮影日数:1日
デザインから画用紙の切り出しなど準備に1週間くらいかかってます。
gif ループアニメ
ループアニメーションになるといつまでたってもオオカミくんは告白できません(笑)ループアニメは終わりがない話になるところが好きです。