作品レビュー 2017年10月12日

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だんだん秋になってきましたね。秋といえば食欲の秋!というのはこじつけですが秋が旬のリンゴをモチーフとした切り絵アニメーションを紹介します。

やまだそのこさんの学生時代の作品です。
リンゴを剥いて食べるという日常を繰り返し描くことで家族の変化、具体的には描かれてませんが子供が一人暮らで実家を出てったとか、誰かが亡くなったとかでしょうか、そういった時の流れを描いている素晴らしい作品です。そしてタイトルがいい。

メイキング

このコマ撮りは「切り絵アニメーション」と呼ばれる手法です。カットアウトとも呼びます。
リンゴや手や指などパーツごとに絵を描いて、それをガラス板などにおいて、カメラを真上に設置して真俯瞰に撮影する方法です。パーツをちょっとずつ動かしたり、置き換えたりすることでアニメートします。見た目は絵なのに独特の奥行き感が生まれるのが面白い手法です。

作者のやまださんとは友達なのでメイキングについて話を伺えました!写真もお借りできたのでご覧ください。

リンゴパーツ

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このように形の違うリンゴのパーツを大量に用意して、置き換えて撮影していきます。

アクリル板とガラス板

この撮影ではアクリル板を使っているようです。穴が開けられるので固定がしやすいですね。ガラス板は傷がつきにくくて透明度が高いのが利点ですが、重いし割れることもあります。ちなみにガラス板はホームセンターなどでも扱ってることはほとんどなく、知り合いのコマ撮り作家はみなさんネット通販で取り寄せているようです。

リンゴの皮

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リンゴの皮は、なんと黄色い紙に赤い紙を軽く貼って、実際にカッターで切りながら撮影していったそうです。だから皮の質感がリアルなんですね!

ラストカット

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最後のカメラ視点が手元から奥へとグッと動くシーン、実はテーブルの方が斜めになっていたんですね。そしてテーブルの奥の人のところでリンゴや手のパーツがちょっとずつ浮いて設置されてアニメートされているようです。ティッシュも台形に切られててパース感を出してますね。

切り絵アニメーションは基本的にガラス板を使うので、それぞれのパーツは1つのガラスレイヤーの中で動くことが多くなります。ガラスを何枚も重ねて、手前と奥の前後にキャラを動かしたりする演出もありますが、この作品ではテーブルが斜めになるという、切り絵アニメ的にいってトリッキーなやり方をしていて、見た瞬間ドキッとしました。

やまだ そのこさん

やまださんは今は一児の母でして、お母さん向けのコラムなども連載中です。楽しいのでご覧ください。

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note
イラストがかわいいです。きー坊のgifが特にかわいい。

おうちで季節イベント お手軽アートレシピ
こどもと一緒に作るアートな工作を紹介してくれるコラムです。実際にそんたんママとキー坊が作ってるので、子どもと作る時の注意点とか「なるほど!」となること多し。


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「コマ撮り大好きコマドリスト」を名乗って活動中。
コマ撮り映像作家、CM監督、アニメーター。本人が監督するだけでなく、他の監督の企画にコマ撮りアドバイザーとして参加することも。

マネージメントはCM制作会社キラメキ。お仕事の依頼はこちらまで
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