コマ撮りアニメーションユニット「アトリエコシュカ」の宮島由布子さんの卒業制作を紹介します。
作者コメント(YouTube掲載)
ある秋の日昼下がり
小さいときに過ごした一日の空気や光や風や
ゆったりとした時間の流れを
コマ撮りでこつこつと。
16mmフィルムで昔ながらの手法でつくりました。
感想
なんてことはない静かな日常を描いた、あたたかい作品ですね。フィルムで撮っているので、光や影の感じがすごくいい雰囲気をつくってます。落ち葉というモチーフにもあってますね。落ち葉が風で舞う描写が特に素敵。つむじ風でクルクル回る葉っぱに猫がとびかかるのがかわいいです。
メイキング
フィルム
ボレックスという16ミリのフィルムカメラで撮ったそうです。
フィルムカメラですと撮影中にアニメートの確認ができません。なのでファインダーにCCDカメラをとり付けて、その映像信号を初代ランチボックス(コマ撮り確認用の機械)につないで確認しながら撮影します。アニメートをビデオで確認する方法をビデオアシストシステムと呼びます。「初代ランチボックスはアナログ端子しか認識できないので、確認用の映像も解像度が粗いザラザラしたものでした」(宮島さんコメント)
撮影をしたけど、フィルムがちゃんと回ってなかくて、現像してからそのことに気づいて再撮影したうシーンもあったそうです。大変!
人形をテグスで支えているシーンは、フィルムのザラザラした質感でテグスが見えなくなっていたりもするそうです。
アクリル板
宙を舞う落ち葉はカメラの前にアクリル板をたてて、葉っぱを貼り付けているそうです。落ち葉焚きのシーンの火や煙もカメラの間にアクリル板をたてて、そこに絵の具で描いているそうです。どちらも合成ではないので光の感じとかがとてもよく馴染んでますね。
スタッフ
作者の宮島由布子さんは造形師の池田恵二さんとアトリエコシュカというユニットをつくっていて、立体造形などの美術の仕事やコマ撮りのお仕事をしつつ、ハンドメイドな雑貨の販売などもされています。
アトリエコシュカのサイト
宮島さんのTwitter
minneのページ、金魚モチーフの小物がかわいいですよ