こんにちは。泰人です。
先日、コマ撮りをやっている知り合いとメールをしててその中に「アクティブなコマ撮り」という言葉がでてきました。
今日はそれについて話してみたいです。ここ最近の記事で紹介した『MUTO』『トニー VS ポール』は実にアクティブなコマ撮りだと思います。
アクティブなコマ撮りの例
『MUTO』
『トニー VS ポール』
『オオカミとブタ』
これらはスタジオにセットを組んで撮影するようなコマ撮りとは毛色が違いますよね。写っているものが壁画や人間だったりするので撮影の範囲も広いし、カメラワークも大きいダイナミックな作品だちです。こんなコマ撮りたちを「アクティブなコマ撮り」とか「アクティブ系コマ撮り」なんて呼ぼうかなと。定義があるような言葉ではないですが。雰囲気として。
最近はこういうアクティブなコマ撮りが増えていると思うんですが、これについて僕の勝手な解釈を語ろうと思います。
CGとコマ撮りについて
『MUTO』は2008年、『トニー VS ポール』は2006年、『オオカミとブタ』は2007年。どれも00年代にYouTubeでヒットした作品です。パソコンとデジカメの普及がこれらの作品が作られた大きなきっかけですが、それとは別に、CG映像の発達がこういうコマ撮りを生んだんじゃないかなと思っているのです。
CGが発達してそれまでコマ撮りや特撮でしか出来なかった映像がCGで作れるようになりました。コンピューターの中なら何度でも動きの修正ができるし、動きが滑らかです。リアルな質感もできるようになって、見た目も本物そっくりなCGができるようになりました。
テレビCMの商品カットも昔はコマ撮りで作られてました。商品がクルンと回転したり、パッケージのふたが開いたりするようなやつです。そういう映像を作るのに以前はコマ撮りしかなかったわけですが、今ではCGで作られてます。CGの方が得意なわけです。
そうなったときにコマ撮りの価値が無くなったかというとそうはならず、逆にそのおかげで「コマ撮りらしさ」というのをみんなが考えるようになったと思います。「コマ撮りのカクカクした動きって面白くない?」と。CGで滑らかな動きが実現したからこそ、滑らかでない動きを「味」と言って楽しめるようになった。
そしてストーリーや出来栄えだけでなく「何を」「どこで」「どうやって」撮っているのかが重要なコマ撮りも多くなったと思います。作り方自体が作品の価値につながっている作品。「コマ撮り」というのが手段ではなく、目的になっていると言ってもいいでしょう。今までになかったモチーフでコマ撮りを作ろうってみんな試行錯誤してるように見えます。コマ撮りの種類も増えたんじゃないでしょうか。
そんな感じでね、CGが発達したおかげでコマ撮りが自由になって楽しくなったなーと思ってます。