作品レビュー 2019年12月13日

映画ひつじのショーン UFOフィーバー!

8E335E02-E4AC-45BC-86F5-0068722C8763

 

映画「ひつじのショーン UFOフィーバー!」が
今日、12月13日から全国公開されました。(シアター情報は公式ホームページへ)
前作の「ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム」から4年ぶりの劇場版!

ひつじのショーンは、言わずと知れたアードマンアニメーションズの代表作。日本でもテレビシリーズの放映を受けて非常に人気の高い作品です。

前作、バック・トゥ・ザ・ホームではショーンと仲間たちが記憶をなくした牧場主を探すため都会に繰り出し、牧場に帰るために奮闘するというストーリーでした。

今回は、牧場にやってきた迷子の宇宙人を、ショーンたちが家に帰してあげようとするストーリー。アードマンならではのギャグ、アクション、オマージュがたっぷりな作品です。

英国版ポスターのデザインを見ると、すでに有名SF映画作品のパロディで作られています。というか原題が「FARMAGEDDON」。アルマゲドンやないかいっ!

感想

この作品、阿部は↓の仕事の関係で一足早く視聴することができました。

CINEMORE 『映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!』日本公開記念!ウィル・ベチャー監督×八代健志監督特別対談【Director’s Interview Vol.46】(インタビュアー、ライターをしました)
アードマンのウィル・ベチャー監督と、「ごん」の八代健志監督の対談です。技術的なことにも少し触れているので、ぜひ読んでみてね!

以下は映画の内容に踏み込んだ感想を書いていくので、事前に情報を入れたくない人は読まないでください。

 

 

 

 

アードマンらしく、冒頭からSF作品のオマージュが散りばめられていて、SF好き、映画好きの大人ほどニヤリとしてしまう場面は多いのではないでしょうか。

もちろんそれらを知らなくても問題なく楽しめます。むしろ子どもたちは知らずに観て、後で元ネタに触れた時に「あっ!ショーンで観たやつだ!」って気がつくんじゃないかな。それはそれで楽しそう。

前半はドタバタと楽しく、後半はしっかりと物語に入り込めました。畳み掛けるようなギャグの数々、伏線の回収、感情表現など、本当にいつもうまいな〜っと思わせてくれます。

前作で人間と羊(動物)の対比をしっかり描いていたぶん、今作ではショーンはより自由に、もうほとんど人間のように振る舞っています。人間たちもそれを受け入れてるのか、羊が歩いててもスルーぎみ(笑)

今回の見所はショーンと宇宙人ルーラの友情、と一口に言えば簡単ですが……映画の中で、二人の関係性が微妙に変化していくんですよね。それがすごく自然。感情の持っていき方に違和感がない。そして別れのとき、ショーンが泣いていてルーラは案外平気な顔してる。これもすごいわかる、すごいリアル。なぜかは観ればわかります。

私はビッツァー好きなんですけど、今回も彼はひたすらショーンや牧場主に振り回されて巻き込まれてひどい目に遭ってるのにめっちゃいい奴です。
冷静に見れば一番ないがしろにされてるのは彼なんですが、誰かが落ち込んでいるとそっと寄りそってくれたり、随所でいい味出してくれます。君は仏か。

悪役のエージェント・レッドもよかった。出てきた時はなんだか地味だな、悪役としての迫力がないなぁと思ったけど、後半になってその理由もわかりました。
彼女のラストシーン、一回めの視聴では気がつかなかった伏線に、二回目で気づいて泣きました。
悪役のことが掘り下げられるのってアードマン作品では少ない気がします。それがちゃんとあることで誰も傷つかない優しい作品になっていると思いました。

攻めたブラックジョークや、シニカルな表現もアードマンの良い所ではあるので、そういうのが好きな人にはもしかしたら物足りないかもしれません。
でも、アードマン映画、もしくはSF映画として、自分の子どもに最初に見せるならこれだなぁ、と素直に思いました。

ひつじのショーンの映画版は、前作でやり切った感があってけっこう満足しちゃってたんですけど、今作を観て、ショーンの世界はもっと広がっていけるんだな、もっと観たいなと思いました。
みなさんもぜひ劇場で!


ABOUTこの記事をかいた人

阿部靖子

アニメーター・セット/人形造形
コマ撮りアニメーターをやっています。動かすのが好き。
セットや小道具、人形も作ります。
ドラゴンについての解説を書いてますが、まだわからないことも多いので
こういう使い方もあるよ!等あったら、ぜひメールください。
お仕事はこちらから→ yasuko.a.85@gmail.com
Facebook:yasuko.abe.16