アニメーター・峰岸裕和さんの道具を見せていただくアニメーターズツールズdwarf編、第4弾は「目安棒」です。
目安棒
アニメートする時に前のコマと比べてどのくらい動いたかを測る”めやす”になる棒なので、目安棒です。
円筒形のおもりに、指し棒(授業などで使う伸縮自在の棒)をつけ、先端は針状にとがらせているものが多いです。指し棒の根元と先端には球体関節がついていて自由に向きを変えられるようになっています。
針はピアノ線を尖らせたもの。
重り部分は、持ちやすいように段がついています。
こちらには、紙でできた矢印が付けられています。
底についた三点のネジで高さを調節できます。
使い方
目安棒の用途は「空間に目印をつける」ようなイメージです。
アニメートする前、人形の鼻先や指先など、アタリになる場所に針の先端を合わせます。
目安棒をそのままに、人形を動かします。針の指した位置と、動かした距離を目測ではかり、ライブビューがなくても前のコマからどのくらい動いたか知ることができます。
峰岸さんは、人形側に小さな旗を刺し、旗の先端と目安棒の先を合わせることで、丸くてふわふわしたアタリのとりにくい人形でもミリ単位で動かしの調整ができるようにしています。
(人形がなかったので、手袋で代用)
高画質なライブビューで確認しながらアニメートすることができる昨今、こういったアナログな道具は必要ないと思うかもしれません。
しかし使ってみると、ライブビューではわかりにくい奥行き方向の動きを作るときにとても便利だということがわかります。また、人形を一コマごとに外して入れ替える、置き換えアニメーションを素早く正確にやりたいときにも活躍します。
目安棒は、ヒューズ線やアルミ線に重りをつけただけの簡易的なものでも充分使えますので、ぜひ使ってみてください。