『臓器大学』に続いて、こんどはポップでややシュールなマルチプレーン作品を紹介します。
発明家ドンちゃん
原作はナンセンスギャグ漫画で有名な杉浦茂さんの同名漫画。
杉浦茂さんは昭和に活躍した漫画家です。
こちらのサイトで杉浦茂さんの『ドロンちび丸』が無料で読めます。
所感
まずストーリーが抜群に面白いですね(笑)原作のあからさまな説明セリフ(笑)とかも声優のとぼけた演技が完全再現してます。
キャラクターのテカテカ光沢のある素材感とプリッとしたデザインもこの世界のほんわか楽しい雰囲気にマッチしています。
そうした楽しい雰囲気はしっかりとした美術と撮影で作り上げられています。6分という尺で、カット数も多く、背景セットもたくさんつくられています。話のほとんどはドンちゃんの家の中ですが、部屋の数も多いし、手元のカットで机の上をちゃんと見せたり、作る美術も結構な数です。夜道のシーンなど照明による演出もしっかりされています。
ラストのモブキャラがたくさん出てくるシーンは、1コマ撮るのにどれだけのアニメートをしたのかびっくりな数ですよ。
そういうところを手をぬかずにしっかり作っているからこそ、このナンセンスギャグのおかしさが際立ってると思います。
スタジオ四次元ボーヤ
作ったのはアートアニメーションのちいさな学校の生徒さんたちのチーム「スタジオ四次元ボーヤ」。
なんとこのチームは杉浦茂作品をアニメーション化する為に結成された団体だそうで、メンバーは長塚美奈子、ヨシムラエリ、今井美月の3人。みなさん去年に開催されたコマ撮りアニメ上映会『撮れた展。』に参加されていました。そちらでは今作とは違った作風のコマ撮りを作っていてそちらも面白いです。
長塚さんに話を聞いたところ
「3人で笑いながら楽しく撮影できた思い出があります。
観ていただいた方も笑顔になるような作品になるといいなぁと思っています。」
とのこと。もちろん観て爆笑しましたよ!!