コマコマだより 2023年4月28日

吉祥寺図書館ワークショップ作品

2月に吉祥寺図書館でコマ撮りワークショップをしてきました!参加者の作品を紹介します!!

イベントポスター

吉祥寺図書館のツイッター

作品は吉祥寺図書館さんのツイッターアカウントで紹介されました。

参加者の作品を紹介していきますが、タイトルは僕が仮りでつけてます。
*Twitterの仕様で(?)2作品ずつならびます。

ドラキュラ城 / 卵クッキング

ドラキュラ城

1つ目は高校生の女の子が作ってくれたあやしげな森を奥へと進む作品。見えてくるお城はドラキュラの住む城です。カメラワークにこだわって立体的に木を動かしました。木が手前に移動しつつ左右にはけていくことで、観客が森の奥へと進む様子を描いています。映画の冒頭のようでいいですね。

セッティングはこんな感じでした。

作者の女の子はアニメ制作に興味があって、アングルやカメラワークでどんな演出になるのか考えてて、僕のアドバイスも真剣にきいてました。

卵クッキング

小学6年生の女の子が作ってくれた可愛い料理の作品。卵はヒビのあるものとないもを用意したり、溶いた卵液も模様違いを何枚も用意してて細かい作業がとてもよく効いてます。
ボウルが左にはけてフライパンが右からやってくるのも現実ではありえないですが、こういうアニメでは自然にみせれるのでうまいやりかた。

最後はオムライスになる予定でしたが時間がたらなくて残念でした。

少女と札束 / 種と小人

少女と札束

これを作ってくれた女の子はドラマ『銭の戦争』が好きということで、札束をもつ怪しげな雰囲気の少女の作品を作りました。逆光の姿と表情のわかる姿、表情ちがいなど素材を用意して撮影。細めた目つきの感じがあやしくていいですね。こうなると笑顔も逆に怖い印象に思えてきます。

背景も開いたドアからの逆光という雰囲気のある演出。映画の予告編とかでありそうな。こんなサスペンスなコマ撮りはなかなか見ませんね。すばらしいセンス。

種と小人

タンポポの種がとんできて、芽吹いて、小人さんがやってくる、とても可愛らしい作品です。芽がでるところも形違いの画用紙を用意して置き換えアニメをしてます。小人が歩く動きも手の広げたポーズがかわいいですね。このあとストーリーが楽しみですが、終わりの時間になってしまいました。

ハードボイルド / 不思議な穴

ハードボイルド

こちらうってかわって、ハードボイルドな世界観です。
ネズミの群れが走り抜けたり、空き缶が転がったり、汚いニューヨークの路地裏って感じでかっこいいですね。画コンテには3つの夜の街のシーンがあってどの絵も渋くてかっこよかったです。この日はその中の重要なシーン、二人の男が店に入っていくところをつくりました。途中で強い風がふいて男たちが体を傾ける表現がいいですね。

作者の高校生は映画をつくる仕事につきたいという夢があって、このワークショップも映像制作の勉強の1つとして参加してくれました。志が高い!

不思議な穴

ラストは黒い丸が落ちてきたら大きな穴になってネコちゃんが出てくる可愛い&シュールな作品。

黒いものが落ちてくるときは丸い画用紙を動かしてますが、それが大きくなったら、背景の画用紙に穴を開けて裏に黒い画用紙を貼って、本当の穴にしています。そのつながりが見事。不思議な世界になりました。赤いボールがとびだして、つぎにしっぽがピョコピョコして何かわからないまま、最後にネコがちゃんがでてくる、それも最初は何かわからない姿で、最後の最後にかわいいネコちゃんになる。見る人に「何かな?」と思わせ続ける演出がすばらしい。ネコちゃんに蝶ネクタイをつけてるのもキャラのオリジナリティを高めててよいと思いました。

全体の感想(と、僕の反省点)

参加してくれたみなさん、ありがとうございました。

僕はいままで小学生のワークショップをしたことがあったのですが、今回は12歳〜19歳と高めだったのでどんな子が参加してくれるのか楽しみでした。みんなとても意欲的で、事前に描いてもらった画コンテにはすばらしいアイデアがならんでいました。

みんな良い発想力でストーリーが膨らんでいたのですが、美術制作でほとんど時間を使ってしまって撮影が終わらない子が半分くらいいました。これは反省。時間内に終わらせるために何をするか型を用意してコントロールすることもできますが、今回は自由につくってもらって個性的な作品ができたのですが、完成しなかった子たちにはもうしわけなかったです。コマ撮りはどうしても時間がかかってしまうので、時間とのかねあいは今後の課題ですね。

それぞれ続きは家で完成させてくれたら嬉しいです。それができるように参加者のスマホやタブレットにアプリをいれて撮影してもらいました。

大人向けのワークショップとかも、全然ちがう作品ができるだろうから楽しそうだなと思いました。


ABOUTこの記事をかいた人

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「コマ撮り大好きコマドリスト」を名乗って活動中。
コマ撮り映像作家、CM監督、アニメーター。本人が監督するだけでなく、他の監督の企画にコマ撮りアドバイザーとして参加することも。

マネージメントはCM制作会社キラメキ。お仕事の依頼はこちらまで
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