今回は顔のパーツのメイキングです。
アニメできるようにまぶたや口はいくつかの置き換えパーツを作ります。
※クリックすると動きます
完成するとこんな感じ。眉が動き、まばたきをして、口が喋っているように形を変えていますね。
このような動きのできるパーツを作っていきます。
材料
エポキシパテ木部用
エンビ板
シルクピン
画用紙(オレンジ色)
グレーサーフェイサー
アクリル絵具
つや消し黒、白ラッカースプレー
つや消しトップコート
ろうそく
割り箸
木片(バルサ板)
瞬間接着剤
ペーパーボンド
両面テープ
Gクリアーボンド
木工用ボンド
白目をつくる
木パテ(エポキシパテ木部用)で白目を作ります。
木パテは混ぜると5分程度で硬化しはじめ、15分程度でカチカチになります。ホームセンター等に売っています。
クッキングシートの上に白目の形にしたパテを作って置いておき、硬化したら剥がします。今回はクッキングシートがなかったので魚焼き用クックパーを使っています。
今回は、人形の顔にコルクを仕込んでいるため、白目、口、眉毛、パーツはピンで刺して固定しようと思います。
固まったパテの裏面に、シルクピンを小さく切ったものを瞬間接着剤で貼り付けます。接着面を大きくするため、ピンは曲げます。
シルクピンを曲げたり切るのにはラジオペンチを使います。切った端が飛んで行きやすいので気をつけましょう。
これで白目の形ができました。塗装はひとまず後回しにして、先にまぶたを作っていきましょう。
ヒートプレスでエンビ板をまげる
まぶたを作ります。
まぶたは、白目の球面にぴったりフィットする形にしたいので、エンビ版を熱で曲げて成形する「ヒートプレス」という手法で作ります。
まずはヒートプレスの木枠作り。バルサ材などの木っ端を切って四角の枠を作ります。接着は瞬間接着剤など。
枠の裏側に両面テープを貼り、四角く切ったエンビ板を貼ります。
今回は小さい物なのでこのような簡易な木枠でOKですが、もっと大きいものを作る時は木枠を二つ作ってエンビ板を挟んだり、負荷に耐えられる工夫が必要です。
先ほど作った白目を、割り箸の上に刺し、重い箱など適当なものにテープで固定します。動かないようしっかりと。
ろうそくに火を灯し、エンビ部分を炙ります。すぐに溶けはじめるので、質感が変わってきたのが見えたら、固定した白目にすばやく押しつけます。エンビ板が白目の球面に沿ってぐにゃりと曲がるので、冷えるのを待って、固まったら取り外します。
このくらいの大きさなら、エンビ板を熱する時間はほんの2、3秒です。加減をつかむのは慣れるまで難しいかもしれません。
エンビ板を熱しすぎたり、火を近づけすぎたりすると引火して危険です。周りに可燃性のものを置かず、火傷に注意しましょう。また作業する際は臭いが出るので必ず換気をします。
エンビ板を切り出す
曲げたエンビ板を切り抜いて、コンタクトレンズ状のものをハサミで切り出します。
白目に当ててサイズを確認しながら、欲しいまぶたの形に切っていきます。
黒目は、ヒートプレスしたエンビ板を丸く切り出し、ハサミと紙ヤスリで形を整えます。
塗装する
黒目とまぶたの形ができたら、割り箸に両面テープで固定し、塗装に入ります。
エンビ板の表面はツルツルしているので、紙やすりで軽くヤスると、塗装が剥がれにくくなります。
下地にサーフェイサーを吹き、十分に乾かした後、まぶたはアクリル絵具、黒目は艶消し黒ラッカースプレーで塗装しました。
まぶたはアクリル絵具の上に木工ボンドで肌色の羊毛を貼り付け、乾いたらハサミで毛を整えます。マジックでアイラインを入れました。
白目も下地にサーフェイサーを吹き、つや消し白のラッカースプレーで塗装、最後につや消しトップコートを吹いて表面を保護しました。
口をつくる
口は、顔の曲面を模した型を木パテで作って、白目と同じようにエンビ板をヒートプレスして作りました。
曲げたエンビ板にマジックで口の形を描き込み、ハサミで切り取ります。マジックはあとで無水エタノールで拭き取ります。
表面には口の色の画用紙をはります。
裏面には、曲げたシルクピンを瞬間接着剤で貼り付けました。
Vの字口は、まげた鉄の針金にシルクピンをつけて黒ラッカーで塗装しました。
まゆげをつくる
シルクピンを曲げます。
Gクリアーボンドで少量の羊毛を貼り付け、ハサミで形を整えます。
ピンの部分を顔に刺します。眉尻だけ固定している形になるので、眉頭をピンセットで触って動かすことができます。
仕上げ
出来上がった黒目とまぶたの裏には、ペーパーボンドという貼ってはがせるノリをうすく塗ります。口の裏にはピンが刺さっているので何も塗りません。
まぶたの裏に「R」と書いているのは、「Right=右目」の意味です。
人形の目やまぶたを顔に貼り付ける方法は、作る人によって色々なやり方があります。
顔にマグネットを仕込み、まぶたに鉄粉や鉄板を仕込んでくっつけたり、
パーマセルテープ(撮影用の貼ってはがせるテープ)で黒目を切り抜いたり。
今回は、ペーパーボンドやピットマルチ2などの貼ってはがせるノリを塗る方法です。
白目がノリやホコリで汚れてしまいやすいけれど、事前の仕込みや、素材の破損が少なく手軽な方法です。
出来上がった素材はこのように整理するとアニメする時も分かりやすいです。紙に両面テープを貼って、そこにまぶたを貼っていきます。口の素材は小さいコルク板に刺しています。
出来上がったパーツをつけて完成です。