コマ撮りってどんな風に作られているのか?
作っているところを見たことない人には、イメージしづらいと思います。
そこでプロのコマ撮り現場の様子を、現場の簡略図とともに紹介します。
作品ごとに様々な現場があるので、これはあくまで一例です。
長編作品やCM撮影など、大きなスタジオを使った撮影現場のイメージ。
(イラスト:阿部靖子)

1:照明器具
この図では簡略化しているが照明器具は実際はもっとたくさんあることが多い。
どのように照明を使うかは作品によって本当にさまざま。
2:ディフューザー
アルミの枠に半透明のビニールシート(もしくはトレーシングペーパー)を張ったもの。裏から当てたライトの光を柔らかくする。
3:センチュリー
何かを固定したいときに使う器具。高さを調整でき、拡張パーツ(アーム、ジョーズ等)をつければ使い方は無限大。金属製。ここでは吊り具をかける角材を固定している。
4:アニメーター
人形などを動かす人。写り込みや反射を防ぐため、アニメーターは黒っぽい服を着る。アニメは座ってやるときもある。
5:吊り具
見えないくらい細い糸でものを浮かせる器具。三点で吊ると安定する。ここではサッカーボールを吊っている。影が落ちないように、できるだけ高い場所に角材を渡してひっかける。
6:目安棒
人形がどれくらい動いたかのめやすを測る棒。
7:針山
人形の足に刺して固定するためのピンを控えておく。コルクの固まりやコルク板が使われる。
8:かきわり
板や布などに背景を描いたもの
9:サブモニター
アニメーターが見る用のモニター。
10:カメラ
ドラゴンフレームと相性のいいCanonかNiconのカメラがよいが、現場によってさまざま。
ドラゴンとつながらないフィルムカメラやムービーカメラが使われることもある
11:テンキーパッド
アニメーターがドラゴンを操作したい時に使う。
12:アニメーター道具
アニメ中に使う道具は、手の届くところに置いておく。ハサミ、両面テープ、虫ピンケース、ラジオペンチ、パーマセルテープなど、道具は人と作品によってさまざま。
13:セット
アニメーターが体重をかけても揺れたりズレたりしないよう、しっかりした作りがよい。木材や鉄骨などで組む。立ったままアニメートがしやすいようにアニメーターの身長に合わせて設計され、時には1m以上の高さになることもある。
14:ウェイト
重り。砂袋、ショットバックとも呼ばれる。アニメ中にうっかり蹴ってしまいそうなところ、不安定なところには動かないようにウェイトをかけよう。
15:床
スタジオの床はコンクリートや、リノリウムが多い。
16:箱馬(ハコウマ)
木でできた箱。コマ撮りに限らず、スタジオの必需品。決まった規格がある(絵はてきとう)。イス・テーブル・踏み台になったり、セットを支える台にすることもある。よく足りなくなる。
17:タイムシート
アニメの設計図。どのコマでどういう動きをするのかなど、動かす内容が細かく書かれている。アニメーターが事前に用意して、アシスタントが読み上げながら進めていく。書き方は各人のスタイルによってさまざま。書かない人も多い。
18:パソコン
収録用パソコン。カメラと繋がっている。ドラゴンフレームで撮影するときは一台でできるが、他のソフトウェアを使うとパソコンが2台以上になるときもある。ノート・デスクトップは問わない。
19:アシスタント
タイムシートの読み上げ、PCの操作、バレもの(映ってはいけないものが映ってないか)をチェックする人。アニメーターアシスタント、略してアニアシと呼ばれることも。アシスタントもいちおう黒っぽい服を着る。
20:お菓子
小腹が空いたとき用。大きい撮影だと、制作サイドで用意してくれることもある。個包装だと手が汚れないので嬉しい。