前の記事でCanonのコマ撮り用ファームウェアの機能について書きましたが、
フォーカスのモーションコントロールについては長くなるのでこちらの記事にまとめました。
フォーカスのモーションコントロールとは
フォーカスのモーションコントロールとは、
フォーカス送り(ピント送り)をDragonframe上で設定し、自動制御できる機能です。
何コマ目からどのくらいフォーカスを送るか、事前に設定しておけば
あとは普通に撮影していくだけでOK。そのコマまで来たら自動でフォーカスを送ってくれます!
必要なもの
・ファームウェア改造済みのCanonカメラ
・Canon純正RFレンズ
・Dragonframe 5 以降(Dragonframe2024,2025もOK)
フォーカスの動きを設定する
①画面右上のアイコンをクリックしてモーションコントロール画面を開く。
②画面左の四本線のマークをクリックして「軸を追加」を選ぶ。
③「軸を設定」画面が出てきたら、接続デバイスを「電動フォーカス」にする
今回はこんな画角で、手前(赤い人形)から中間(青い人形)を通って奥(緑の人形)にフォーカス送りをすることにします。
④青い再生バーを1コマ目に持ってきて、手前(赤い人形)にフォーカスを合わせ、キーフレームを追加する。
⑤再生バーを任意のフレーム(画像では6フレーム目)に持っていき、フォーカスチェックの枠を中間(青い人形)にドラッグする
⑥④と同じように、フォーカスを合わせてキーフレームを追加する。
⑦キーフレームを繋ぐ線を曲線にしてイーズイン・アウトをつける
⑧再生バーを任意のフレーム(画像では10フレーム目)に合わせ、同様の手順で奥(緑の人形)にフォーカスを合わせる。


モーションテストをする
①「モーションテストを撮影する」アイコンをクリックしてモーションテストの設定画面を出す。テストしたいフレームの範囲を入力して、OKをクリック。
②モーションテストの実行。
③出来上がったテスト動画は画面右上の画面で見ることができる。(再生はスペースキー)
「ライブ画面を表示」と「モーションテストを表示」の間のバーを動かすと、ライブ画面と重ねて(オニオンスキン)で見ることもできる。
動画に書き出したいときは「撮影したモーションテストを動画に書き出す」をクリックする。
※ちなみにこのテストはライブ画面をキャプチャしたものです。
シャッターを切っていないので、画像は実際に撮る本番画像とは異なります。
より本番に近いテストを行いたいときは、テイクを複製して、実際に連続撮影していくこと。
本番撮影を始める

①赤丸の「モーターを撮影コマの位置へ移動する」をクリックしてONにする。
②画像のような「指定したコマの位置へ移動」のウインドウが出たら、OKをクリック。
(現在のフォーカス位置が1コマ目の位置にない場合、AX1の右側に▶︎が出ます。▶︎をクリックしてからOKをクリック。)
③アニメーション画面に戻り、シャッターを切る。
撮影モードを選択する
モーションコントロールの撮影のとき、前のコマを撮ったらすぐ次の位置にモーションが動いてしまい、アニメがしづらい…ということがあります。
そういう時は、ファイル>撮影>「撮影モード」でモーションコントロールが動くタイミングを変更してみてください。
「撮影→移動モード」は、エンター(return)キーを押したらシャッターが切られ、すぐに次のコマのモーション位置に移動するモード
「移動→撮影モード」は、エンター(return)キーを押してからモーションコントロールが動き、シャッターを切るモード
今回の場合は、
フォーカスを送ってからアニメするか、(撮影→移動)
アニメしてからフォーカスを送って撮影するか(移動→撮影)
を選べるということです。
注意点ー撮影ディレイについて
アニメしないで連続撮影する場合(カラ舞台を撮るときなど)は、シャッターを切る速度にフォーカスを合わせる機構の速度が間に合わないため、撮影ディレイ(シャッターを切ってから撮影されるまでの間をあける機能)を設定する。
カメラ設定画面のX1のタブ(赤丸)をダブルクリックして、撮影ディレイを1.5〜2.0秒に設定する。
フォーカスを動かす幅が大きいときはもっと撮影ディレイが必要になることもあるかもしれません。
テストで何枚か連続撮影(モーションテストではなく、実際に撮影してみるテスト)をしてみると安心です。