メディアレイヤーとは、アニメーション画面に
静止画や動画を読み込み、レイヤー状に重ねながら見ることができる機能です。
レイヤーは増やすことができ、(おそらく)何枚でも重ねることができます。
ただし多く載せすぎるとPCに負担がかかり、ドラゴンの動作が重くなるのでほどほどにしましょう。
目次
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- 読み込む
- レイヤーを削除または変更する
- 読み込めるものの種類
- より簡単なレイヤーの読み込み方
- 読み込んだレイヤーを編集する
- ガイドレイヤーを別窓で表示する
- レイヤーのディレーションをトリム(トリミング)する
- 前後のカットの動画と繋げてプレビュー
- 仮合成1…マスク合成
- 仮合成2…クロマキー合成
- マスクとクロマキーを組み合わせて合成する
読み込む
①アニメーション画面上に表示されるアニメーションパレットの「メディアレイヤー」を選択
②➕ボタンをクリック。
③「画像を読み込む」をクリック
または、アニメーション画面右側にあるガイドレイヤータブ(Xシートなどが表示されるところ)からも同様に読み込むことができます。
もしくは画面上部のツールバーから、ファイル>ガイド画像の読み込みでも読み込めます。
レイヤーを削除または変更する
ガイドレイヤータブにあるレイヤーをクリック(選択した)状態で、+ボタンの隣にある
ゴミ箱マークをクリックして削除します。
レイヤーを直接右クリックして削除を選択することもできます。「Replace Media File」で置き換えも可能。
読み込めるものの種類
画像の読み込み・連番画像の読み込み
JPEGやPNGなどの静止画を読み込む。動画の読み込み
mp.4やmovなどの動画を読み込む。音声つきの場合は音声も再生される。シーンの読み込み
すでに撮影した他のシーンの連番画像を動画として読み込む。いちいちmovなどに書き出す必要がなく便利。元のシーンの画像を変更(削除するなど)した場合は読み込んだ側にも反映される。
テイクの読み込み
現在開いているシーンに入っているテイクの連番画像が動画として読み込まれる。元のテイクの画像を変更(削除するなど)した場合は読み込んだ側にも反映される。
※シーンとテイクを読み込んだ際、初期設定はテイク1(一番最初のテイク)になっています。下の画像を参考に「テイク:」のボックスから任意のテイクを選択してください。
Add Exposure
現在開いているのテイクのX1X2のレイヤーを読み込む。Add Exposure>X2 でX2のレイヤーを指定できるが、なぜかそれだけでは正しく表示されない。図のように、レイヤーを選択して「露出設定」でX2を選ぶと表示される。(Dragonframe5.2.7 現在)
Add Camera・・・調査中
より簡単なレイヤーの読み込み方
任意の画像や動画ファイルを、アニメーション画面に直接ドラッグ&ドロップで読み込むこともできます。
カメラ設定画面の「テストショット」にも同様にドラッグ&ドロップで読み込めます。また同じテイク内の画像をレイヤーとして載せたい場合は
カメラ設定画面やアニメーション画面のタイムラインで画像を右クリック>ガイドレイヤーとして使用 を選択すると、簡単に乗せることができて便利です。読み込んだレイヤーを編集する
読み込んだ静止画や動画はガイドレイヤータブから画像の大きさの変更、透明度の変更、角度、反転、回転などの設定ができます。任意のレイヤーをクリックして選択してから、下の画像を参考にそれぞれのアイコンをクリックして編集してください。
ガイドレイヤーを別窓で表示する
ガイドレイヤーは別窓で表示できます。図の「レイヤーを別窓で表示」アイコンをクリックしてください。
アニメーション画面の外にも配置することができ、ガイドレイヤーと見比べながらアングルを切りたい時などに重宝します。
動画の場合は、再生ボタンをクリックで独立して再生することもできます。
カメラ設定画面など別の画面でもガイドレイヤーを見ながら作業することもできます。
レイヤーのディレーションをトリム(トリミング)する
ガイドレイヤーのディレーション(尺)のインポイント(動画のアタマ)とアウトポイント(動画のオシリ)をドラゴン上で指定することができます。
動画でも静止画でもトリムできます。読み込んだ元の素材には影響がありません。インポイントの指定
①動画のアタマを設定する場合。アニメーション画面のタイムラインで、ガイドレイヤーの任意のフレームに黄色の再生バーを持っていく。
②右クリックして「インポイントにトリム」を選択。
③インポイント以前はブラックフレームになる。ブラックフレームになったところは、再生してもなにも表示されない。(下のレイヤーがあればそれが表示される)
アウトポイントの指定
①動画のオシリを設定する場合。アニメーション画面のタイムラインで、ガイドレイヤーの任意のフレームに黄色の再生バーを持っていく。③アウトポイント以降はブラックフレームになる。ブラックフレームになったところは、再生してもなにも表示されない。(下のレイヤーがあればそれが表示される)
※画像のようになぜか1フレームほどズレてトリムされてしまうことがある。黄色のバーの位置を変えてもう一度トリムしよう。
レイヤーのデュレーションをリセット
設定したインポイント・アウトポイントを元に戻したいときは、レイヤーを右クリックして「レイヤーのデュレーションをリセット」を選択する。前後のカットの動画と繋げてプレビュー
ガイドレイヤーと「プリロール」を組み合わせることで、前後のカットを繋げてプレビューすることができます。
プリロールについて詳しくはコマドリルの記事「プリロール」をご参照ください。
①読み込んだ動画を右クリックして「プリロールとして使用」を選択
②現在撮っているタイムラインより前に「プリロール」の範囲(赤いタイムライン)が表示され、動画が自動的に配置される。画像のように再生のイン点(黄色い【)を設定すると、プレビュー時にプリロール込みで再生される。
③もう一つ動画を読み込み、現在撮っているタイムラインより後にドラッグ&ドロップで配置する。
再生のアウト点(黄色の】)を画像のように設定して再生すると、前のカット(人形B)→現在のカット(人形A)→後のカット(人形E)と繋げてプレビューできる。
※再生のアウト点はキーボードの「o」で設定仮合成する
仮合成の仕方には2種類あります。
①マスク合成
②クロマキー合成
この二つは同時に使うこともでき、組み合わせることでより高い精度で合成できます。
ガイドレイヤーを使って合成しても撮影素材に影響はありません。試しにこの人形Bの下手側に別撮りした人形Aを合成してみます。
マスク合成
マスクで画像の一部を切り取る方法です。
①人形Aのガイドレイヤーを読み込む。
②Aのレイヤーを選択し、「マスクを有効」のアイコンをクリックすると、四角い枠が表示される。
四角い枠の四隅についたグレーの◼️をドラッグして枠の大きさを調整。
わかりやすいように下のレイヤー(人形B)を非表示にするとこんな感じです。
③カーソルをライブ画面の外に持っていくと合成した状態が見られます。
マスクを反転 マスクの加算/減算を入れ替える
リセット マスクの形を元に戻す
クロマキー合成
このように、合成したレイヤー(人形A)の奥にも背景や人形がある場合、人形Aだけを綺麗に切り抜いて合成したいですよね。
そこでクロマキー(指定した色を透明にする機能)を使ってみましょう。
①人形Aのレイヤーを選択し、クロマキーをONにする。
②スポイトツールをクリックしてから、人形Aレイヤーの背景の色をクリックして色を指定する。③「しきい値」と「スムーズ」のバーをドラッグして値を調整する。
わかりやすいように下のレイヤーを非表示にするとこんな感じです。背景(グリーンバック)に色ムラがなかったので、綺麗に抜けていますね。
④カーソルをライブ画面の外に持っていくと合成した状態が見られます。
マスクとクロマキーを組み合わせて合成する
次は、背景のグリーンバックに色ムラがありクロマキーで上手く抜けないときの対処方法。
マスクと組み合わせると上手く合成できることがあります。
マスクの形はパスで自由に形を変えることができるので、人形の輪郭ギリギリまで切り抜いてみてください。①背景の画像を読み込む。今回は、カメラレイヤー(現在撮っているライブ画面)の下に背景を配置してみましょう。
②先ほどと同じようにクロマキーONにして、スポイトで背景の色を指定して背景を抜く。
しかし、しきい値やスムーズを変えても、背景のグリーンバックに色ムラがある場合は、画像のように背景が残ってしまうことがあります。
③そこでマスクの出番。マスクを有効にして、四角い枠の大きさを調整する。
かなり綺麗になりましたが、それでも少し背景が残ってしまいました。
④マスクの水色の線上でダブルクリックし、パスの頂点(⬜︎)を増やす。パスをドラッグし、マスクの形を人形に沿わせて自由に変えていく。
頂点を減らしたいときはパスの頂点(⬜︎)でダブルクリック。
※わかりやすいように下のレイヤーを非表示にしてます。
③カーソルをライブ画面の外に持っていくと合成した状態が見られます。
このように、ライブ画面の下に別撮りした背景を合成して、ライブと重ねながらアニメすることもできます。
仮合成した状態で動画を書き出す
ファイル>動画を書き出す(command+m)でmp4やmovなどに書き出す際、「レイヤーを統合」にチェックを入れると、仮合成した状態で動画を書き出すことができます。オフライン編集やチェック用動画として使えます。
ただし、「レイヤーを統合」にチェックを入れると描画レイヤーやコンポジションガイド(グリッド線)なども合成された状態で書き出されてしまいます。必要のないレイヤーは非表示にするのを忘れないようにしましょう。メディアレイヤーのデメリット
レイヤーを何枚も重ねるとドラゴンの動作が重くなる
→PC環境にもよるが、トグルにラグが生じたりタイムラインの表示/非表示に時間がかかることがある。
再生する時、リアルタイム再生されないことがある
→レイヤーを非表示にすることで解消されるよくあるエラー:読み込んだ動画の尺が変わる
まれに、mp4などの動画を読み込んだ際、実際の尺より短く表示されてしまうというエラーが起きることがあります。
動画にタイムコードを載せておき、尺が合っているか撮影前に確認するなどの対策が必要です。
ショートカットキー
「L」でメディアレイヤーの表示/非表示 (LayerのLと覚えよう)
「K/J」メディアレイヤーの透明度を上げる/下げる(Lの隣のふたつのキー と覚えよう)
「Reference Layer toggle#」 でレイヤー4枚までショートカットキーを設定できます。
それぞれのレイヤーごとに表示/非表示ができるということですね。便利です。Ver:Dragonframe5.2.7