作品レビュー 2016年9月14日

TOYOTA Dreamcar Art Contest

仕事をしてきましたので紹介です。今回の記事は説明が多くて長いです。

ドリームカー コンテスト

Dreamcar Contest グローバルページ

日本のサイトはこちら

TOYOTAが主催している絵画コンクールです。世界中の15歳以下の子供たちが「夢のクルマ」というテーマで絵を描いています。今年で10回目ですが、80を超える国と地域から、80万以上の応募があるそうです。すごいですね。年齢別にカテゴリーわけされ、国ごとに受賞作品があり、さらに世界全体での金銀銅などの賞があり、毎年30作品ほど表彰されます。

それらを1つ6秒くらいの映像にしようという企画が2014年からありまして、今年で3回目。映像化にはイラストアニメ作家、3DCG作家、コマ撮り作家などが集まって、それぞれが何個かずつ映像化してきました。

今年参加したのは5組で

竹内泰人(コマ撮り)

コシュカ(コマ撮り)
http://kocka-animation.petit.cc/

最後の手段(コマ撮り)
http://www.saigono.info

ひめだまなぶ(イラストアニメ)
http://himedashaaan.wixsite.com/himedamanabu/

デコボーカル(イラストアニメ)
http://decovocal.com/

今年は31個の作品をこの5組で分担。好きな作品とか自分の手法で作りやすそうな作品をみんなで選びました。何十万通の内のトップ30なのでどれもアイデアが面白いし、技術的クオリティが高い作品も多いです。「これを子供が描いたの!?」って毎年みんなで驚きます。

コマ撮りチームの映像は車を立体にしたものもありますが、もとのイラストの雰囲気を出すためにカットアウトにしたものが多いですね。原画から車や人のパーツをPhotoshopとかを使って切り出したり、原画で見えてなかった部分は書き足して、時にはゼロから描いたりして、パーツを作ってアニメートしています。

イラストアニメの2組はタッチの柔らかい作品が多いですね。ぐにょんぐにょん動く手描きアニメが得意な人たちです。

先月、その表彰式があって個々の映像は表彰式で使われたそうです。
YouTubeには3つのカテゴリーにまとまったものがアップされました。

まとめの編集をしたのは
清水誠一郎
http://shimizuseiichiro.jp

本当は原画とその絵の説明文がほしいところですが、簡単な説明と担当作家を書いておきます。

環境保護編

漁業などで破壊されたサンゴを守る車(竹内泰人)
海の環境を良くする車(ひめだまなぶ)
海のゴミを掃除する車(コシュカ)
綺麗な水をつくってくれる車(コシュカ)
街灯を建て、風力発電で電気を供給してくれる車(竹内泰人)
鉄塔から鉄塔へわたり渋滞を気にしないスパイダーカー(ひめだまなぶ)
木の葉を回収して本を作れる車(ひめだまなぶ)
環境汚染をなくすタコ型の車(コシュカ)
酸素を出して、砂漠に雨を降らして、温暖化を制御する車(デコボーカル)
ふわふわした車体で事故っても怪我しないヒツジカー。(デコボーカル)

人助け編

飛行機災害を助ける空飛ぶ車(コシュカ)
色んな場所で災害救助をする車(最後の手段)
病気が広まった地域に行き医療行為ができる車(最後の手段)
血液を作りだし輸血してあげる車(ひめだまなぶ)
体内に入ってガン細胞を倒す車(竹内泰人)
瓦礫の撤去と人命救助ができる車(最後の手段)
被災地に行って、物資を届けたり医療行為ができるトラック(コシュカ)
火災救助できる恐竜型の車(ひめだまなぶ)
子供たちに教育をしてくれるツルの形の車(最後の手段)
大雨を吸い取り、作物を作って、被災地へ救援物資を届ける鯉の形の車(コシュカ)
戦争など悪を吸い込み平和の歌を歌う車(コシュカ)

イマジネーション編

人の創造を刺激し、あらゆる問題の解決策をみつけれる車(最後の手段)
人々に知恵を授けるライオンの顔のある車(竹内泰人)
絶滅した太古の生物を再生できる車(最後の手段)
あらゆる生命の遺伝子情報を持って宇宙へ行くフクロウ型の車(竹内泰人)
良い思い出や悪い思い出をもった宇宙旅行をする車(ひめだまなぶ)
廃棄物プラスチックからつくられる、虹が原動力の車。(デコボーカル)
折り紙みの様にたためる車(竹内泰人)
周囲と一体となり、野生動物の観察ができる車(デコボーカル)
木の形の車(デコボーカル)
中でお魚が泳ぎまわり、友達になれる車(デコボーカル)

お国柄

いろんなコンセプトの車がありますが、環境保護や医療などの直接的に役立つだけでなく、概念的なコンセプトの車もあって子供たちのアイデアは本当に面白いなーって思います。そして、それぞれの車のコンセプトにお国柄が出てるのが面白いです。カナダは落ち葉を回収する車、タイとか海のある地域の国だと海の環境を守る車、戦争を止めたい車や病気を治す車とかはやはり内戦があったり発展途上国の子供の絵だったりします。ちなみに日本からの応募作品には宇宙に関連した車が毎年います。これも日本らしい気がします。


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「コマ撮り大好きコマドリスト」を名乗って活動中。
コマ撮り映像作家、CM監督、アニメーター。本人が監督するだけでなく、他の監督の企画にコマ撮りアドバイザーとして参加することも。

マネージメントはCM制作会社キラメキ。お仕事の依頼はこちらまで
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