作品レビュー 2017年3月22日

落ち葉掃きの人

コマ撮りアニメーションユニット「アトリエコシュカ」の宮島由布子さんの卒業制作を紹介します。

作者コメント(YouTube掲載)

ある秋の日昼下がり
小さいときに過ごした一日の空気や光や風や
ゆったりとした時間の流れを
コマ撮りでこつこつと。
16mmフィルムで昔ながらの手法でつくりました。

感想

なんてことはない静かな日常を描いた、あたたかい作品ですね。フィルムで撮っているので、光や影の感じがすごくいい雰囲気をつくってます。落ち葉というモチーフにもあってますね。落ち葉が風で舞う描写が特に素敵。つむじ風でクルクル回る葉っぱに猫がとびかかるのがかわいいです。

メイキング

フィルム

ボレックスという16ミリのフィルムカメラで撮ったそうです。
フィルムカメラですと撮影中にアニメートの確認ができません。なのでファインダーにCCDカメラをとり付けて、その映像信号を初代ランチボックス(コマ撮り確認用の機械)につないで確認しながら撮影します。アニメートをビデオで確認する方法をビデオアシストシステムと呼びます。「初代ランチボックスはアナログ端子しか認識できないので、確認用の映像も解像度が粗いザラザラしたものでした」(宮島さんコメント)
撮影をしたけど、フィルムがちゃんと回ってなかくて、現像してからそのことに気づいて再撮影したうシーンもあったそうです。大変!

人形をテグスで支えているシーンは、フィルムのザラザラした質感でテグスが見えなくなっていたりもするそうです。

アクリル板

宙を舞う落ち葉はカメラの前にアクリル板をたてて、葉っぱを貼り付けているそうです。落ち葉焚きのシーンの火や煙もカメラの間にアクリル板をたてて、そこに絵の具で描いているそうです。どちらも合成ではないので光の感じとかがとてもよく馴染んでますね。

スタッフ

作者の宮島由布子さんは造形師の池田恵二さんとアトリエコシュカというユニットをつくっていて、立体造形などの美術の仕事やコマ撮りのお仕事をしつつ、ハンドメイドな雑貨の販売などもされています。

アトリエコシュカのサイト
宮島さんのTwitter
minneのページ、金魚モチーフの小物がかわいいですよ

    
作品レビュー 2017年3月14日

Aᴅᴏʙᴇ Pʜᴏᴛᴏsʜᴏᴘ Cᴏᴏᴋ

クッキーを作るコマ撮りの紹介です。普通には作りません、フォトショップ風に作ります!

2009年の作品です。このアイデアはすごいですね!型抜きや麺棒がツールになってて選択するとマウスポインターが変わるとか、焼き加減がトーンカーブでいじれるとか、料理とフォトショップを合わせようという発想に脱帽です。

    
作品レビュー 2017年3月9日

Knoflik(クノフリーク)-小さい大きな贈りもの-

かわいい小鳥のキャタラクターのコマ撮りを紹介します。コマ撮りアニメーション作家のワタナベサオリさんの大学の時の卒業制作です。

作者コメント(YouTube掲載)

ヤパヤパ言ってるちいちゃい方がヤパチェク、メガネとエプロンな方がおじいちゃんのデデチェク。
チャームポイントは鼻です。

主人公は、町のボタン屋さん『Knoflik(クノフリーク)』の子・ヤパチェク。
将来はおじいちゃんみたいな立派なボタン職人になることが夢の小鳥の男の子。

今日も穏やかで平凡な一日が始まります。
そんなお話。

人知れず努力家で、本当は泣き虫で優しい、頑張るあなたへ。

チェコ語

タイトルのKnoflik(クノフリーク)はチェコ語でボタンという意味。
デデチェクはチェコ語でおじいちゃん(発音はイェデチェク)。
ヤパチェクはチェコ語で「ヤーマリー パーチェク」(僕 小鳥)を短くした造語だそうです。

感想

鳥なのに丸い鼻というデザインがいいですよね。がんばるときの眉毛も。そして「ヤパー」とか「デデー」という声がかわいい!!
自分の思った通りにいかなかったときの不満そうな声や、涙をいっぱいためる感じがたまりません。そしてヤパチェクが泣き出すタイミングが仕事道具を散らかした直後ではなくて、デデチェクが帰ってきてから泣いちゃうというのもグッときます。日本語のセリフはなくても気持ちが分かるし、こういう感情の機微を描けるのはすごいと思いました。

ボタンが転がってとまる動きがリアルで感心します。

スタッフ

卒業制作なのでワタナベさん一人で作ったそうです。
制作期間は8ヶ月

ワタナベサオリさんのTwitter
ワタナベサオリさんのYouTubeチャンネル
ヤパチェクのTwitterアカウントもございます!